【全マーケター必見!】インターネット広告におけるCookie規制対策の正解とは?
インターネット上では、SEO対策やSNS運用など各種Cookie規制対策法が紹介されています。 しかし一方で、肝心のインターネット広告におけるCookie規制対策について紹介している記事が少ないように感じられます。 我々は今回、この”インターネット広告におけるCooki規制対策”に対して明確な答えを提示したいと思います!
Cookie規制が苛烈化している今、Cookieレス対策は進めていますか?
前回は、Cookieの仕組みや、歴史のお話をさせていただきました。
URL:www.kiyono-co.jp/post/cookietoha-cookie-gui-zhi-noli-shi-toying-xiang
様々なリアクションを頂きましたが、中でも多かったコメントは『Cookie規制の現状は分かったから対策を教えてほしい!!』というものでした。
インターネット上では、SEO対策やSNS運用など各種Cookie規制対策法が紹介されています。
しかし一方で、肝心のインターネット広告におけるCookie規制対策について紹介している記事が少ないように感じられます。
我々は今回、この”インターネット広告におけるCooki規制対策”に対して明確な答えを提示したいと思います!
まだ、”インターネット広告におけるCooki規制対策”が見つかっていないという方は是非、最後までお読みください!
前回のおさらい
Cookieが規制されることで、WEB広告にどのような影響があるのか、ここでは追っていきます。
1コンバージョンが適切に計測出来なくなる
広告コンバージョンの計測はこれまで3rdPartyCookie(一部1stPartyCookieも含む)を使って計測されてきました。
しかし、iPhoneやGDPRを中心にそれが規制されることによりリスティングやディスプレイ広告から経由してサイトでコンバージョンに至ったユーザーの識別が困難になり(識別子であるCookieがないので)、コンバージョンとしてカウントすることができなくなります。
また、広告のオーディエンス最適化は過去のコンバージョンデータを基に親和性の高いオーディエンスへ広告媒体が自動的に配信することで最適化されます。Cookieレスの場合、コンバージョンの計測ができなくなるので広告の自動最適化が機能しにくくなる事を意味します。
2リターゲティング広告 / リマーケティング広告が回らない
3rdPartyCookieを発行する広告のタグが機能しないので、一度とあるLPに訪問しコンバージョンまで至らなかったユーザーを追客する、いわゆるリタゲ/リマケが機能しなくなり(広告ネットワークで他のサイトに訪れた際にターゲティング広告が表示されない状況)、見込みユーザーの刈り取りが難しくなります。
つまり、この影響で広告の表示回数が減少し広告代理店目線では、広告予算の消化が出来なくなったり、それに伴い入札単価をあげることによりコンバージョン単価が上がってしまうというような問題が発生します。
Cookieレス対策
このようなCookie規制の影響はWEB広告を扱う全企業を対象としており、この状況に対策を打たなければ広告を起点にした売上が下がってしまうリスクをはらんでおります。この潮流の中で様々なCookieレス対策が提案されています。
1広告 / 計測から離れた対策
<SEO対策>
SEOとはサーチエンジンオプティマイゼーションの略でGoogleの検索エンジンの中で、上位にコンテンツを表示させる為のWEBサイトの最適化になります。品質の高い(ユーザーに求められる)記事をリリースしたり、ライバルの少ないKWを狙って記事を作成することで、検索エンジン内でのサイトの順位をあげていきます。Cookieレスで注目されている理由は、広告に頼らず流入を増やせる点にあります。
<SNS運用>
InstagramやTwitter等のSNSを効果的に運用することによって自社のフォロワー(ファン)を獲得できます。SEOと同じように広告に頼らず流入を増やすことができるため、Cookieレス対策の1つとして注目されています。SEOと異なる点はフォロー / いいね / コメント / シェアのような自発的なアクションを通してユーザーがファンになりやすい点です。
<LPO / EFO>
LPOとはランディングページオプティマイゼーションの略でEFOはエントリーフォームオプティマイゼーションの略です。LPやエントリーフォームを最適化することによって離脱を減らしCVRを向上させる戦略です。Cookieが効果的に稼働していれば、多少離脱があってもリタゲ・リマケを使い追客が出来ました。Cookieレスの影響でリタゲ・リマケが回らなくなってきている事で注目されています。
<既存顧客のLTV向上>
Cookie規制の影響で新規顧客獲得の効率が落ちることから、既存顧客のLTVが求められるようになりました。既存顧客のロイヤル層を増やしていくことで売上をあげていくという戦略です。日本国内では少子高齢化の面でも新規顧客の獲得が困難になりつつあることから、既存顧客への注目度は高くなっています。
2広告 / 計測の対策
<サーバーサイドGTM>
サーバーサイドGTMはGoogleがリリースした新しいタグマネージャーです。Cookie情報をWEBサイトのサーバーから発行することによってITPの規制を逃れることができます。その為、アクセス解析やCV計測が正常に稼働します。今後サーバーサイドCookieが規制される可能性もありますが、今のところは有効な解決策です。
<アドレッサブル広告>
アドレッサブル広告とは広告媒体に顧客データ(氏名 / 電話番号 / メールアドレス)をアップロードすることにより、既存顧客や既存顧客に類似性の高い新規顧客にアプローチをする広告手法です。Cookieレスにより最適化効率が落ちるオーディエンスリストを自社の顧客データを使い補完する事が出来るので、Cookieレス対策として注目されています。また、自社サービスへの利益貢献度(LTV)を基準にしてセグメントを切ることにより、オーディエンスリストを最適化することが出来ます。
アドレッサブル広告の仕組み
アドレッサブル広告とは個人を特定できる広告のことを意味し、広告主が保有する顧客データ(1st Partyデータ)を基にユーザーを特定して広告を配信する手法となります。
この広告配信手法をGoogle広告ではカスタマーマッチ、Facebook広告ではカスタムオーディエンスと呼びます。
「アドレッサブル広告の意味は分かったけどどうやって運用するの?」というお声が聞こえてきますので、運用の手順と仕組みをまとめていきます。
<手順と仕組み>
1広告を配信したい対象の顧客リストを用意
LTV(合計購入金額など)や直近のアクション日(購入日など)やアクション頻度(購入頻度など)を軸に条件を作成し顧客リストを作成します。このような行動ベースで条件を作成し顧客リストを作成するためには顧客データと顧客の行動履歴を統合させる必要があります。
2広告媒体の管理画面からアップロード
作成した顧客リストの「氏名 / 電話番号 / メールアドレス」を広告媒体からCSVでアップロードする必要があります。この際に代理店と広告主の間で個人情報のやり取りが発生してしまう場合があります。
個人情報の取り扱いレギュレーションには十分注意しましょう。
3データの照合
アップロードされた顧客リストを基に媒体はデータの照合を行います。媒体に登録されているユーザーアカウント情報とアップロードされた顧客データを照合しマッチしたリストは媒体内のオーディエンスリストとして生成されます。
※マッチ率 Google:30%程度
Facebook:60%程度
4類似拡張リストの生成
生成されたオーディエンスリストを基に媒体が類似拡張リストを自動的に作成します。類似拡張リストは媒体側で保持している趣味趣向や興味関心のデータを基に生成されます。Facebookでは拡張度(どこまでリストを拡げるか)を手動で設定が可能になっておりますが、Googleの場合は拡張度の手動設定が出来ません。この、顧客データを使った類似拡張はCookieを使い計測したコンバージョンから生成される類似拡張よりも精度が高くCTR / CVR共に改善される傾向にあります。
アドレッサブル広告の効果が高い理由
アドレッサブル広告はCookieを活用した広告の最適化と比べて効果が高いとされています。その理由はオーディエンスの解像度の高さにあります。Cookieを活用した広告の最適化は広告媒体の中のユーザー行動データ(イイねやシェア、閲覧履歴など)を基に最適化をはかります。一方で、顧客データを活用した場合はSFAやCRMの行動データ(過去の購買履歴やLTVなど)を基に広告の最適化を行いますので、より自社の広告にマッチしたオーディエンスリストを生成することが可能となっております。
SNSで知り合った方でメッセージのやり取りだけ見ると怖い印象があっても、一緒にお食事に行ってみると実は茶目っ気のある優しい方だった。皆様も似たような経験があるかもしれませんが、ユーザーの本質的な性質はプラットフォームの中だけでは捉えきれないのです。
Cookie規制という影響だけでなくオーディエンスの精度の高さと広告効果の面からみてもこのアドレッサブル広告は注目をされている広告運用手法になります。
アドレッサブル広告の導入課題
このように、期待度の高いアドレッサブル広告ですが実は3つの課題で導入がなかなか進んでいない現状がございます。Cookieレス時代の大きな活路になりうるアドレッサブル広告ですので、課題も抑えつつどのように運用していくべきか検討をしていきましょう!
1個人情報の受渡し
アドレッサブル広告を活用するために、広告媒体の管理画面から個人情報をアップロードする必要があります。その際に、個人情報を代理店と広告主の間で受渡しが必要になる可能性があります。このハードルのためアドレッサブル広告の提案後も導入に二の足を踏んでしまう企業様がよくいらっしゃいます。
2データの統合
ユーザーの属性データ(性別、年齢など)だけでなく行動データ(購買履歴やLTVなど)を基にセグメントを切るために、属性データと行動データの統合が必要になります。属性データに関しては1ユーザーに対して1つのデータで収まることが多いですが、行動データはそうは行きません。小売では、いつポイントを交換した / いつ買い物をした / 購入商品などがあり、ストック型のビジネスモデルでは、プラン変更 / 更新回数などのデータが行動データに当たります。このように、1人に対して10件20件と増えていくデータを、1人に紐づけてデータを統合するのはかなり骨の折れる作業で、エクセルでは限界があります。
3セグメントの作成
このようにデータ統合をする際はエクセルでは難しく、データベースを使うことがほとんどですが、通常データベースから条件に合った顧客リストを抽出するためにはSQLというプログラミング言語を使う必要があります。毎回リストを抽出するたびにコーディングが必要となると、かなり工数がかさんでしまうことがイメージ頂けると思います。また、マーケティング担当者が自分でデータベースにアクセスできる権限があればいいのですが、往々にしてそうもいきません。
このように3つの理由はアドレッサブル広告の大きなハードルになります。また、導入が出来ていても、②と③が対応できないことによってターゲットの精度を落としてしまっているケースがあります。全顧客データをアップロードしてしまってるという例や、工数がかかるので2年以上データを更新していないという例はよく耳にしますが、これではアドレッサブル広告の効果を半減させてしまいます。
まとめ
今回は、Cookie規制に対する解決策をご紹介してきました。私自身Cookie規制に対する解決策を日々情報収集しておりますが、広告とは関係のないソリューションも多く「求めている答えと違うなあ」という印象を覚えることもよくあります。
広告の最適化という点でいうと拡張コンバージョンやサーバーサイドGTM、アドレッサブル広告などがあげられています。どれも効果が高いものですので、是非導入に向けた情報収集も進めてみてください!ただ、それぞれ高いハードルで導入まで至らないケースがあるのも現状です。
次回は、効果が高いアドレッサブル広告の導入ハードルに対し、どのような解決策があるのかご紹介をしていきます。