cookieレスとは??

最近よく聞く、cookieレス(クッキーレス)という言葉ですが、そもそもどういうものなのでしょうか?そして私たちのビジネスからクッキーがなくなるとどのような影響を及ぼすのでしょうここでは「cookieとは?」というところから、cookieレス(クッキーレス)の背景、cookieの代替、cookieレス(クッキーレス)時代の対応策や最新情報までcookieという言葉を初めて聞いた方まで理解しやすいように難しい専門用語はなるべく使わずに解説していきます! では私たちのスマホ時代に密接にかかわっている、cookie・cookieレス(クッキーレス)について学んでいきましょう!

2022-02-24
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Cookie

【目次

  • cookieとは?
  • cookieが私たちに与えるリスクとは?
  • トレッキングcookieとは?
  • cookieからプライバシーを守るには?
  • cookieを無効にすることはできるのか?
  • サードパーティーCookieを無効にする方法
  • cookieを使う事で何ができるのか?
  • cookieはどのように使われているのか?
  • cookieレス(クッキーレス)の背景とは?
  • cookie規制の流れ(cookieレス)の流れ
  • GDPR(EUの一般データ保護法)とCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)とは?
  • 日本へのcookieレス(クッキーレス)規制の対象は?
  • 日本でのcookieレス(クッキーレス)が具体的にデジタルマーケティング業界のどこに影響するのか?
  • cookieレス(クッキーレス)に伴う。代替技術は?
  • cookieレス(クッキーレス)によってできなくなる事やもたらされる影響はどのようなもの?
  • cookieレス(クッキーレス)時代の対応策は?
  • ではcookieを使用する事は悪なのか?
  • cookieレス(クッキーレス)の最新情報
  • まとめ

 

■cookieとは?

cookieレス(クッキーレス)をご説明する前にまずはcookieを理解していきましょう!

クッキーとはWEBサイトを閲覧したユーザーのコンピューターに、一時的にユーザー情報を保存しておく仕組みの事です。

この説明だと「キャッシュ」と同じ?と思われる方もいますが、「キャッシュ」はWEBサイトの情報を一時的に保存しておく仕組みで、2回目以降同じサイトを訪問すると表示スピードがあがるものです!

要はユーザーが知らない間にアクセス履歴を追跡できるため、プライバシー保護の観点から問題視され廃止に至ります。

cookieはどのように発行されるのか?

①アクセスしたWEBサイトから発行されるCookie

②アクセスしらWEBサイト以外(掲載されている広告の配信事業者)から発行されるcookie

では、果たして、悪い事ばかりなのでしょうか?そうともいえません。

 

例えば、会員ページで「IDとパスワード」によるログインが必要な際にログイン状態を保持し、毎回のID・パスワード入力の手間を省略させるのにもcookieが使われていたり、ECサイトで一度カートに入れたもののその後ECサイトを離れてしまっても、もう一度ECサイトを訪れた時に以前カートに入れたものがそのままになっていたり。

 

Cookieとはこのブラウザからアクセスした人は「このIDとパスワードを使っていますよ」ということや、「この商品をカートに入れましたよ」ということを、Webサイト側が分かるように一時的につけられる目印のような役割を果たします。

cookieのおかげで面倒な手間や、便利な体験もしています。

 

 

■cookieを使う事で何ができるのか?

 クッキーを使うと何ができるのかをイメージしやすいECサイトで説明します! 

SNSサイトを見ていると、たまたま「自分好みの靴」の広告が表示されたとします。

 その後、検索サイトで検索をして通販サイトにアクセスします。

 ただ欲しかった靴のサイズが売り切れており、一旦ページを離れます。

 数日後、GoogleやYahooを見ていると、欲しかったかわいい靴のの広告がまた表示されたのでクリックしてサイトに飛びます。

 今度は「自分好みの靴」のサイズの在庫があったのでサイトにログインをして購入します。

 このようにユーザーが広告に触れてから商品を買うまでの一連のインターネット上の行動をクッキーを使うことで追跡することができます!

 (私は楽天市場で我慢していた商品が広告で何度もでるので、我慢できずに買ってしまう事が良くあります・・・)

 

クッキーで得られた「ユーザー単位」の行動履歴を分析したり、データを連携したりしてデジタルマーケティングに生かしていくというのがクッキーの現場になっています!!

  

■cookieが私たちに与えるリスクとは?

 ほとんどの場合、cookieは害を及ぼす可能性は低いと言われています。なぜかというと、cookieはユーザーとサーバーとの間の通信を容易にするためにインターネットで使用される1つのプロトコルに過ぎないからです。

 もちろんcookie自体は、ウイルスやマルウェアを運ぶことができませんし、悪意のあるプログラムをほかのユーザーに転送することも不可能です。ですので、基本的にCookieを目の敵にする必要はありません。

 では、どんなリスクがあるのでしょう?

 考えられる最悪のシナリオは、Cookieが傍受または偽造され、別のユーザーがあなたになりすましてウェブサイトを利用することです。そうなると、個人データが盗まれたり、アカウントがハイジャックされる恐れが生じます。

ですが、実は深く心配する必要はありません!Cookieのセキュリティは、基本的に、ウェブサイトとブラウザに任せておけばOKです。Cookieの暗号化機能がハッカーからあなたを守ってくれています!

 

一般的に問題になりえるのは、「トラッキングcookie」と呼ばれる特定の種類のcookieです。

こうしたcookieは、ユーザーのウェルビーイングに配慮しません。トラッキングcookieは、ウェブサイトにおけるユーザーの行動を追跡し続けます。

集めたデータを使って閲覧履歴プロファイルを作成し、ユーザーにターゲティング広告を仕掛ける事ができます。つまり、Cookieがユーザーの行動を監視することで、プライバシーの問題が生じるわけですね!

 

 

■トラッキングクッキーとは?

  

cookieは掲示板やオンラインショッピングサイトで自分の名前やメールアドレスを入力したことがある場合次回同じサイトに訪問すると、既に入力欄などに自分の情報が記入されていることがあったりしますよね??

Amazonなどのショッピングサイトで、「○○さん、こんにちは」と表示されたりするのもブラウザとサーバのcookieのやり取りで実現しています!

 しかし、このcookieをスパイウェアの目的で利用しようとするのはトラッキングクッキーです。例えば、スパイウェアのような動作をするcookieをWebサイト側からユーザブラウザに送り込むことも可能ですし、スパイウェアをユーザにインストールさせた後、そのスパイウェアにcookieを生成させて、サーバに渡してしまう等も可能です。最近では、このcookieをトラッキングクッキー(Tracking cookie)として検出するスパイウェア対策ソフトが増えてきました。

 cookie自体はスパイウェアとは違いますが、このcookieを利用して個人情報などが漏れることがあるため、危険性のあるcookieをスパイウェアとして検出しようという目的です。

しかし、このcookie自体をスパイウェアとして検出することには賛否両論がありますので、通常はcookieを検出しても、削除するかどうかは、ユーザが最終的に判断するようになっています。もしcookieがご利用のスパイウェア対策ソフトで検出されても、削除しても、問題が起こることはほとんどないと思います。スパイウェア的な使い方をされているケースもあるかもしれませんので、見つかったCookieは削除しておきましょう!

  

■Cookieからプライバシーを守るには?

Cookieのプライバシーについて知っておくべきこととは、どのような事でしょうか?まず、Cookieのせいで、私たちが意図的に提供していない情報が勝手に覗き見されるという心配はありません!!

つまり、ウェブサイトがCookieを利用していても、あなたが自らウェブサイトで情報を入力したのでないかぎり、家族や学歴に関する情報をサイトに知られてしまうなんてことはもちろんありません!

 トラッキングCookieの最大の問題は、広告会社がユーザーの閲覧履歴を見る可能性があることです。広告会社は閲覧履歴を利用してターゲティング広告を行うわけです。もちろんそれを防ぐ方法は存在します。ブラウザの設定でCookieを無効にすればいいだけです!

 

■cookieを無効にすることはできるのか?

これまで説明した通り、cookieは個人情報流出の懸念があります。ただその一方でユーザーに最適化された広告を配信してくれたり、ユーザーの訪問情報をファーストパーティCookieを介して保存することで、IDやパスワードの入力を省略したり、ページを記憶させて表示を高速化したりできるメリットもあります。

 

一方で、重大な個人情報流出に晒されているという懸念点もあります。ですがもちろん、サードパーティーCookie同様個人情報を提供していることに変わりはないのですが、ユーザビリティの観点からメリットが大きく、問題視されることはありません!

 

そんなcookieをこちらで制御する事は可能なのでしょうか?実はサードパーティーCookieは、個人情報保護の観点からユーザーが手動で無効にすることもできるよう設計されつつあります!

 

では、サードパーティーCookieを無効にすることで得られるメリットとは何でしょうか?

 

【メリット】

 

●安心のプライバシー環境を実現できる。

サードパーティーCookieが無効になることで、ユーザープライバシーの向上が期待できるのは間違いありませんよね!

これまで、広告配信を目的にユーザー情報が流出していたのをCookieの無効によって防ぐことができるため、Cookie経由での個人情報流出をストップできます。

 本来はプライベートな空間であると考えていたインターネット利用が、実は第三者によって監視されていたばかりか、それを再度活用されているというのは、気分が悪くなります。

 こういった事態を回避するためにも、サードパーティーCookieの無効は確かな効果を発揮します!

 気になる場合は、合わせてファーストパーティーCookieの履歴も消去することでより足跡のつかないインターネット利用が実現できます!

※ファーストパーティーcookieやサードパーティーcookieについては【cookieレス(クッキーレス)の背景とは?】の章でお伝えしていきます!

 

 

■サードパーティーCookieを無効にする方法

 各ブラウザで無効にする方法をお伝えしていきます!

●Safari

Safariはデフォルトで無効になっています。

まずApple謹製のSafariについてですが、こちらははじめからサードーパーティーCookie機能が無効化されています。

近年、Appleはユーザープライバシーの確保を強化しており、SafariやiPhone利用において、第三者によるCookieの活用を厳しく取り締まっています。

 そのため、現状では最も安心して使えるブラウザであると言えます!

 

●Firefox

Firefoxで無効にする方法は環境設定を変更することで、サードパーティーCookieを無効化できます。

2021年6月時点では、標準機能として無効化が適用されていますが、カスタム画面からさらに特定のトラッカーに対してブロックを実施できます!

 

 

●Google Chrome

Chromeで無効にする方法

Google Chromeでは、サードパーティーCookieの利用を段階的に廃止し、2022年までに完了する発表を行っています。

そのため、いずれにせよこの問題は自然解決すると考えられますが、手動でCookieを削除することも可能です。

 Chromeの設定画面を開き、[プライバシーとセキュリティ]の項目から、Cookieを削除できます。また[Cookie]の項目から、サードパーティーCookieのブロックを実行する事ができます!

 

 

■cookieはどのように使われているのか?

では代表的なデジタルマーケティング活動の中でどのようにクッキーが使われているのかについて簡単にご説明していきます!

まず「Web広告フリークエンシー」です

 

1ユーザに対して、何回配信するのか、配信頻度が「フリークエンシー」と呼ばれています。      

1日1回、1時間に1回など、媒体によってはもっと細かく設定も可能です。

クッキーによって「どのサイトに掲載された」、「どんな広告を見たか」の履歴をユーザーごとに把握することができるので履歴を把握する事により、商品購入に至るまでの広告のフリークエンシー(接触回数)を媒体毎にカウントし、広告の出しすぎなのか、はたまた少ないのかを判断できます。多すぎても不信感が募るし、少なすぎてもアプローチできないですもんね!

 

 

次に「リターゲティング広告」です。

こちらは「■cookieを使う事で何ができるのか?」でご説明したものになります!一度広告主のサイトを訪れると、その後も、同じ商品がでてくるものですね

  

次に「アトリビューション分析」です。

 クッキーを使って自社サイトの訪問前の広告の「接触経路」を把握して媒体ごとの貢献度分析をするものです!

             ☆直前の広告だけではなく、それ以外のすべての経路を把握☆するのがポイントになります。

 

             広告予算の分配を無駄なく、効率的に行う為に必要です!

 

 

最後は馴染みのある「アクセス解析」です。

       

自社サイト訪問者の、流入元や離脱、サイホンなどのアクセス状況を計測するものです!

       

「どのサイトから?」「何人流入してきたのか?」その後「コンバージョン(購入)に至ったのか?などですね!

 

 

 

■cookieレス(クッキーレス)の背景とは?

 

ここまででcookieについてご理解頂けましたでしょうか?

 

ここからは本題のcookieレス(クッキーレス)の背景と最新動向についてお話ししていきます!

 

・なぜクッキーはプライバシーの観点から規制されるのか背景について説明します

(なぜcookieレスになるのかの背景)

 

デジタルマーケティングではいくつかのデータの種別があり、そのデータがどの種類なのかを分類する際に下記3つを用います。

 

今回問題になっているのは【サードパーティーデータ】です。

 

そこでまずは【ファーストパーティーディータ】、【セカンドパーティーデータ】

そして【サードパーティーデータ】について解説していきます。

 

定義としては

 

◾️ファーストパーティーデータ:「自社で集めたデータ」顧客情報(氏名・年齢・メアド・履歴など)

◾️セカンドパーティーデータ:「他社のファーストパーティーデータ」

◾️サードパーティーデータ:「顧客と直接的な関係はないが関連性のあるデータ」エリア別人口分布、性年代別趣味、SNS使用状況など

 

 

             【ファーストパーティーディーター】

             企業が自s社ユーザーの許諾を得て直接取得するデータです。

例えば自社サイトの閲覧履歴や自社サイトに登録されたメールアドレスやLINEのアカウントなどです。

自社サイトに登録をしてもらったりアクセスしてもらったりすることで収集するデータです

 

             【セカンドパーティーデータ】

             企業がデータを保有している別の企業から入手するデータです

例えばポイントサイトのデータですとかレビューサイトのデータがこちらにあたります。

 

             【サードパーティーデータ】

             プライバシーの観点から問題になるのはこちらのデータになります

             データ収集を専門とする企業が保有する不特定多数のデータを指しています。

 

例えばサイト行動履歴から推定した趣味や興味関心のデータがこちらに該当します。

 

サードパーティーデータの収集を行っている企業は

DMP(データマネジメントプラットフォーム)事業者と呼ばれております。

 

DMP事業者が色々なサイトにコードを埋め込み、検索サイトやSNSなどでcookie情報としてユーザーの行動履歴を収集します。

その収集したクッキー情報を事業者が分析をし、その情報を様々な広告の配信事業者に提供します。

 

ユーザーからすると知らないうちに、行動を追跡されていてその情報をいくつかの事業者間でやりとりされているので

プライバシーの観点から問題になっています。

 

サードパーティーデータについて規制が行われる背景は分かってきましたでしょうか?

 

では次はcookie規制(cookieレス)までの流れを説明していきます。

 

 

■cookie規制の流れ(cookieレスの流れ)

 

2017年9月

                           アップルが初めてのITPを発表しクッキーの規制

※ITPはインテリジェントトラッキングプリケーションの略でアップルがsafariに搭載しているトラッキング防止機能です。

 

2018年4月

                           EUでGDPR(一般データ保護法)が発行

同時期にアメリカのカリフォルニア州でもCCPA(消費者プライバシー法)が可決され、法律による規制も開始。

 

2019年9月

                           fireboxがサードパーティーcookieを自動的にブロック

 

2020年1月

                           MicrosoftがChromiumベースのブラウザ「Edge」をリリース

                           (cookieを管理・削除可能)

 

2020年1月

Googleが2年以内にchrome(クローム)でサードパーティーデータを廃止することを発表

 

このGoogleの発表が非常にインパクトが大きくデジタルマーケティング業界に激震が走りました。

 

2022年

サードパーティークッキーが apple・google両方で全面的に禁止になり、cookieレス(クッキーレス)時代の到来という風に捉えられています。

 

 

つまりアクセスしたWEBサイト以外の外部の第三者が密かに履歴を収集して分析したり広告事業者に提供したりしていたのが出来なくなったという事です。

またアップルについてはファーストパーティークッキーの制限を強化していますので簡単にご紹介します。

       

・アップルでのcookie制限(cookieレス)方針について

 

                           【ファーストパーティーデータ】

どのWEB広告から来訪したのは自社サイトのものであっても1日しか分からない

                           7日経つとアクセス履歴がクリアされて完全に別人になってしまう

                           ※ログイン判定に使われるサーバーサイドcookieについては規制はされない

       

                           【サードパーティーデータ】

                           他サイトのアクセス履歴がターゲティングできない

 

 

■GDPR(EUの一般データ保護法)とCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)とは?

 

・GDPR(EUの一般データ保護法)

                           2018年施工

法律の規制についてもっとも有名で、cookieに関しても【個人情報として扱う】というところがポイントとなります。

 

個人情報として取り扱われる範囲が非常に広く、データ利用への事前の同意や明示的な同意っていうところが求められるので数ある規制の中でも非常に厳しいものとして捉えられています。

       

2020年8月に提訴されたOracle(オラクル)やSalesforce(セールスフォース)のCookie追跡がGDPR違反の集団訴訟に発展し巨額な制裁金事例も発生しています。

 

・CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)→カリフォルニア版CDPRとも言われています。

 

             2020円1月施工

             消費者から預かった情報を適切に「管理」「運用」していく体制を求めており

             米国全土へ波及し、連邦法としての統一が求められています。

 

             ・CPRA(カリフォルニアプライバシー権利法)

             CCPAに追加しCDPR並みに厳しく、随順に引き上げる法案です。

             2020年11月の住民投票で可決し、12月に成立。2023年に施行予定になります。

 

そして日本でcookieに関する規制(cookieレス規制)としては個人情報保護法があります。

 

現在まではこの個人情報保護法を守っているか否かが問題点でしたが、最近では法律の範囲外で配慮すべきガイドブックのようなものが存在しております。

データの使い方によっては法律的には問題なくても、倫理的には問題だという視点もあります。

 

 

■日本へのcookieレス(クッキーレス)規制の対象は?

 

ここまでは海外の法規制(cookieレス規制)を元に説明をしていきましたが日本のcookieレス(クッキーレス)規制の状況は異なります。

 

欧米では法律での保護の対象となるパーソナルデータの対象が広く

プラットフォーマー(Googleやapple)による規制対象のデータよりも法律の方が範囲が広くなります。

 

ただ日本はcookieレス(クッキーレス)規制の状況が異なっており、現在の個人情報保護法では法律の方ど対象となるパーソナルデータの対象は狭く、cookieの規制(cookieレス)は欧米ほど厳しくはありません。

 

具体的にはDMP事業者のサードパーティーデーターの収集規制へのcookie提供や利用については対象となりますが欧米と比べると対象範囲は狭くなります。

 

日本の場合だと、プラットフォーマー(Googleやapple)による規制対象のデータの方が法律による規制対象をより広い為、プラットフォーマー(Googleやapple)の規制の影響を大きく受ける形になります。

       

【cookie規制(cookieレス)の対象範囲】

                           日本:法規制<プラットフォーマー(GoogleやApple)での規制

                           海外:プラットフォーマー(GoogleやApple)での規制<法規制

 

また日本のブラウザシェアではGoogleのchromeとAppleのsafariのシェアが過半数を超えるので、

法規制よりもシェアの高いGoogleのchromeとAppleのsafariのcookie廃止を持ってcookieレス(クッキーレス)時代に突入するというのが日本のcookieレス(クッキーレス)になります。

 

 

 

■日本でのcookieレス(クッキーレス)が具体的にデジタルマーケティング業界のどこに影響するのか?

 

cookieレス(クッキーレス)の影響は主にサイト横断でのデータ取得が前提のサービスが影響を受けます。

データ販売(パプリックDMP)・サイト横断計測・DSPなどに影響を与えます。

 

パプリック(オープン)DMPとは?

 

             パブリック(オープン)DMPは、「データマネジメントプラットフォーム」の略で

             情報を保有する企業がそのデータを蓄積するためのプラットフォームです。

パブリックDMPで取得できるデータは、3rd Party(サードパーティ)データと呼ばれる匿名の顧客データです。

             Cookie、デバイス、IPアドレスなどの匿名情報で構成されています。

 

DSPとは?

 

DSPとは、Demand-Side Platform(デマインドサイドプラットフォーム)の略です。

広告主や代理店が利用する、広告在庫の買い付け、広告配信、オーディエンスのターゲティング等を一括して行うことで、広告効果の最大化を支援するツールのことです。

 

 

■cookieレス(クッキーレス)に伴う。代替技術は?

 

ではcookieの代替技術はどのようなものがあるのでしょうか。

 

まず一つ目がフィンガープリント(指紋)です。

 

デバイスやブラウザでの属性データを特徴点として取得し、特徴量の一致で利用者を識別する技術です。

 

【特徴量】

使用言語:日本語

ブラウザの種類やバージョン:Internet Explorer 11.789.19041.0(11.0.1000)

タイムゾーン:UTC+11:00

OSの種類やバージョン:Windows10

インストール済みプラグイン:Windows Mediaファイル

画面の解像度: 1466×763×32など。

 

こちらの情報だけでも完全一致するのは数百万台に1台と言われているので、完全一致に非常に近しい結果になり得ます。

 

ただ、特徴点を取る上でユーザーの端末からあらゆる情報を取得することが前提となっておりますが

ユーザーが気づかないうちにこれらの情報を取得して識別を作るという動きになるので

ユーザーにとってはcookieでの情報取得となんら変わらないものになってしまいます。

 

 

二つ目はプライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)というものがあります。

 

こちらはGoogleが提唱しており

「個人情報保護を前提として、広告に支えられた無料のインターネット世界を維持できる」という考えに基づいており「新たなエコシステム」を構築しようとする概念です。

 

2019年にChromeによってリリースされてから現在も多くのWebコミュニティメンバー(Webブラウザー、オンラインパブリッシャー、広告技術会社、広告主、および開発者)とともに、開発が進められており、2021年年初までに、既に30を超える技術が提唱されています。

 

30以上の技術が開発されておりますが、ここでは1点、FLoC(Federated Learning of Cohortsフロック)についてご説明します。

 

FLoC (Federated Learning of Cohorts、フロック)

FLoCは似たようなブラウジング習慣を持つブラウザをグループ(コホート)化するための仕組みとなります。

       

ユーザーがWeb上を横断していると、ブラウザは FLoC アルゴリズムを使って、直近の閲覧履歴が似ているたくさんのブラウザで共通する「興味グループ(コホート)」を割り出します。

       

そして、広告のターゲティングも、「個人」ベースではなく、「興味グループ(コホート)」ベースでのターゲティングになります。

「ホートID:221133」「ホートID:112133」といったグループ(コホート)IDにターゲティングするようになり、個々の閲覧データはブラウザ内で管理され、

             他者と共有されないため、ユーザーの閲覧情報は保護される見通しです。

 

cookieの代替技術を2つ紹介しました。

他にもいくつかありますが、完全にcookieの代替案になるものは今だありません。

cookieレス(クッキーレス)はどのような影響を生むのでしょうか?

 

■cookieレス(クッキーレス)によってできなくなる事やもたらされる影響はどのようなもの?

 

具体的に何ができなくなるのでしょうか?

 

ではまずはマーケティングの歴史をおさらいしていきましょう。

 

【1980年代】

マスマーケティングの時代は CS(cscustomer satisfaction)が重要視されてきました。

「1:お客様全体」として捉え、お客様との全ての接点で満足度を高めると視点です。

 

【2000年代】

IT技術の発展により、顧客との接点が増え、CRM(Customer Relationship Management)が重要視されます。

             「1:1(確率論)」顧客の行動を把握して、マネジメントしていく視点です。

 

【2010年代】

スマホ普及による、接点の複雑化でCX(Customer Experience)と視点が重要になります。いわゆる顧客体験価値です。

「1:1(あなた自身)」と購入までの過程や、使用する過程、購入後のフォローアップの過程における体験「感情的な価値」を重視するものです。

 

企業が相対しているのが、集団から個人を予測できるようになり、現在は個人の特定かつ、顧客体験の向上まで重視していかないといけない中

cookieレス(クッキーレス)により、個人を特定できなくなってしまいますのでマーケティング戦略全体に影響を与える問題は大きいという事です。

 

何が言いたいかというと、cookieレス(クッキーレス)によってネット上で広告を見てから購買に至るまでの一連の動きが捉えられなくなってしまいます。

 

要は情報を取得できるタイミングが変わってしまうというところが問題なのです。

今までは自社サイトに訪問してくれればそこでcookieを取得できていました

 

サイトを閲覧し、まだ買っていないけれども興味を持っているという見込み顧客を判別し

分析し、リターゲティング広告を出し、購買に至っていた従来のデジタルマーケティング戦略が実施できなくなり

見込み顧客に最適なアプローチがしづらくなってしまう可能性があるのです。

 

 

■cookieレス(クッキーレス)時代の対応策は?

 

使用の仕方によっては、我々にとって脅威になるcookie。

ただ便利な面も多く、cookieに変わる情報の取得やcookieに頼らない戦略が重要になってきます。

 

主な対応策を2つ挙げていきます。

 

1つ目が【Zero Party データー(ゼロパーティーデータ)】

2つ目が【コンテキストマッチ広告】

 

まず【Zero Party データー(ゼロパーティーデータ)】です。

 

「ゼロパーティデータ」とは、顧客の同意を得て収集したファーストパーティデータを指します。

 

「ゼロパーティデータ」は趣味嗜好など、ユーザーの購買行動や心理に起因するインサイトなどが該当し、それらをユーザー自らが同意し、企業に提供している情報となります。

 

要は調査会社が持つような同意許諾を取った生活者データを指しています。

 

cookieを使って不特定多数の行動履歴を密かに収集して特性を推定するサードパーティーデータの収集事業者(DMP事業者)は紹介しましたが

それと相対する意味合いとして、生活者の全行動履歴を許諾の上で把握したデータシングルソースデータを活用するような方法です。

 

決してハードルは高いわけではありませんが、ユーザーの自己申告の為、自ら答えたくなるような仕組みが必要になります。

 

 

 

次に【コンテキストマッチ広告】です。

 

 

では、コンテキストマッチ広告とは何なのでしょうか。

 

コンテキスト広告(コンテクスチュアル広告)とは、Webページのキーワード、文意、画像などをAI(人工知能)が自動で解析し、文脈に合った広告を配信する手法です。

また、コンテンツの文脈に沿ったキーワードでターゲティングを行うことを、コンテキストターゲティング(コンテクスチュアルターゲティング)と言います。

 

似たような広告ターゲティング手法に、WebサイトやWebページをカテゴライズして広告配信を行う「コンテンツターゲティング」や、Webページ内に含まれるキーワードを指定して広告配信を行う「キーワードターゲティング」がありますが、

コンテキスト広告(コンテクスチュアル広告)では文脈や画像をAIで解析し、配信対象を決定するところがポイントです。

これにより、コンテンツターゲティングやキーワードターゲティングよりも、広告の内容と配信面のマッチ率が上がるというメリットがあると言われています。

 

そもそもcookieによるターゲティングの問題点としても

【cookie・ユーザーがWEBに登録した情報・検索した履歴】などを一つのIDとして広告主が希望するターゲットに広告配信します。

 

しかしSNS上でも複数のアカウントを持つユーザーが増えていることからユーザーが登録した情報の信頼性が揺らいでいます。

 

つまりcookieによるターゲティングにはもともとこのような問題があったということです

 

一方、コンテキストマッチングは今見ている広告や広告素材の反応から興味属性を割り出してマッチングを行います。

なのでターゲットや興味を大きく外すことはありません

 

またコンテキストマッチングでは、先ほど説明したゼロパーティーデータなどと組み合わせて分析することでユーザーの深い意図を把握することができます。

 

 

■ではcookieを使用する事は悪なのか?

 

たくさん説明をしてきましたが、ここまでで皆さんはcookieに対しての印象はどうでしたでしょうか?

cookieは悪だと思いますか?便利な機能だと思いますか??

 

では、cookieが消えてしまうとWEB世界にどのような影響を及ぼすか3つに分けて見ていきましょう!

 

集客:広告配信サービス、リターゲティング

接客:コンテンツの出し分けやポップアップ

分析:サイト解析、広告効果測定

 

【集客】

Cookieが使えなくなりリターゲティングがしずらくなった世界では

ユーザーの立場であれば競合商品や、情報収集しただけのサイトの広告に追われず、良い 気分を味わえるかもしれません。

 

ですが、我々マーケターとしては、自社サイトに訪問してくれた人や商品に興味を持ってくれた人に、

           リターゲティングが効かず再アプローチする手段が奪われてしまいます。

また、自社のターゲットとしている層を狙って広告を出すといった、きめ細やかなWeb上での広告配信も厳しくなってしまいます。

 

【接客】

テクノロジーが進化し、同一のURLでも同じものを見ているとは言い切れなくなってきました。

来訪者をセグメントしてコンテンツを出し分けたり、ポップアップを出してWeb上で接客を行ったり

あの手この手で閲覧者の行動を促し、コンバージョンを高めようと日々努力しています。

 

Cookieによって制御されていた閲覧履歴情報(閲覧者のアクセス履歴や訪問回数等)が分からなくなると

最適化されたコンテンツや見せたいコンテンツを提供することが出来づらくなってしまいます。

 

ユーザーとしても、一度ログインしたサイトでもCookieがログイン情報が保持しなければ

アクセスする度にIDとパスワードを入力する必要が出てくるかもしれません。

非常に面倒な作業ですよね、、、

 

【分析】

GoogleアナリティクスはCookieの仕組みを利用して閲覧者のアクセス情報を収集しています!

ウェブページにおけるユーザーの行動や閲覧したページのURLなど、ユーザーとウェブサイトとの接点となるデータを「記憶」します。

今何人がサイトに来ているか分かっても、一人ひとりの訪問回数・閲覧ページ履歴等は分からず、Web分析ツールを使って知りたいと思っていた数値が入手出来なくなるかもしれません。

 

また、Webサイトの解析だけではなく、広告の効果測定も同様にCookieを用いて測定を行っているものは計測ができなくなります。

マーケターとしては結果や効果を分析できなければ、力を入れ予算を確保すべき施策も分からず、失敗を糧とし次につなげるアイディアも考えられなくなってしまいます。

 

Cookieを使えない世界は、デジタルマーケターにとって死活問題になりかねます。

 

 

 

■cookieレス(クッキーレス)の最新情報

 

では2022年1月現在ではcookieレス(クッキーレス)の最新情報はどうなっているでしょうか。

 

先日、Googleより、以下の発表がありました。

 

米Googleは1月25日(現地時間)、2021年3月に発表したサードパーティーcookieに代わる技術「FLoC」(Federated Learning of Cohorts)の開発を停止し、

             新たに「Topics」と呼ぶ技術のテストを年内に開始すると発表した。

同社は、ユーザーのWebプライバシーを改善しつつ適切な広告を表示するための取り組み「Privacy Sandbox」の技術としてFLoCを開発してきたが、ユーザーを特定できてしまう可能性を指摘されたり、

この取り組みが独禁法に違反する可能性があるとされたりと、批判が高まっていた。

 

Googleは「Topicsは、FLoCのテストからの学習と幅広いコミュニティからのフィードバックに基づいて、FLoCに代わるものとして開発する」と語った。

 

Topicsの大まかな仕組みはこうだ。Webブラウザが、ユーザーのWeb閲覧履歴に基づいて、そのユーザーが興味を持つと推測されるいくつかの「トピック」(フィットネス、旅行、など)を決定する。

       

このトピックをWebサイトとその広告パートナーと共有することで、Webサイトでトピックに関連する広告を表示する。トピックは3週間保持された後削除される。

       

             また、トピックは外部サーバではなく、デバイス上で選ばれる。

       

どのトピックに関連する広告を表示するかはランダムに決まるので、例えば行く先々で同じ広告が表示されることも減るだろうし、個人の特定もFLoCより困難になる。

             (引用先 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2201/26/news064.html)‌

 

 

要はcookieの代替案として、もともとFlocが検討していたところをtopicの代替を検討していく事が決まったみたいです。

 

・ブラウザが閲覧履歴に基づいて「その週の最大の関心事」となるトピックを決定する

・概念はFLOCと大差ないようですが、より個人特定が難しく、差別偏見に考慮された大多数のグルーピングがされるようなイメージ

 

詳細はまだまだ不明ですが、いかに個人情報を特定せず、いかに1人1人にGoogleのタグ付けをしグループピングしていくかというところが、争点ではありそうですね!

 

 

■まとめ

最後におさらいですが

cookieとは、Webサイト側が、利用者のパソコンの中に一時的にデータを書き込んで保存させる仕組みのことでしたね!

 

クッキーは、ログインのための情報等、利用者を管理・識別するときに使われるので通販サイトや掲示板等でよく使われています!

 

ではインターネット用語のクッキーと

お菓子のクッキーと同じつづり(cookie)なのですがお菓子との関連性はあるのでしょうか?

 

実はこのクッキー、名前の由来に諸説があり、

なかにはお菓子のクッキーと関連があるものも・・・

ここではその一部をご紹介します!

 

・同じような仕組みを持っていたUNIXのプログラムが、「Magic Cookie」と呼ばれており、この名前から来た説。

・データの保存用として使われるものなので、同じ保存の意味を持つ『保存食=クッキー』から来た説。

・毎回違うメッセージを表示することから、中華料理屋さんで食後に出てくる、おみくじ入りクッキーの「fortune cookie(フォーチュン・クッキー)」を語源とする説。

・テレビ番組『セサミストリート』のクッキーモンスター(ぐるぐる目に青いふわふわのキャラクター)が、いつもクッキーを食べているように、ウェブサーバーに情報が食べられるという意味でつけられたとする説。

・単に「食べられる」という意味で名付けられたとする説。

 

もしかすると、お菓子のクッキーから語源がきているかもしれませんね!

 

 

最後にcookieレス(クッキーレス)を通じて、個人情報の取り扱いを巡るこの動きは、決して一時的なものではなく今後どのような技術が出ようとも、また同じように突然その技術に規制がかかることも考えられます!

cookieレス(クッキーレス)についてご説明させて頂いたとおり、日本では法規制よりも、プラットフォーマーからの規制に多く影響を受ける形になります。

 

考えるべきは、「よりよいユーザ体験を提供する」この為に「何ができるのか」、「何をすべきか」など、上流からスポットの提案までご支援させて頂いております。

 

ぜひお気軽にお声かけ頂ければと思います!

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