1st party data(ファーストパーティデータ)とは?活用事例などを解説

1st party data(ファーストパーティデータ)の基本概念から具体的な活用方法までを網羅的に解説いたします。特に、データの収集方法、法規制の現状、及びデータの戦略的価値を深堀しておりますので、これから1st party dataを活用したマーケティングをお考えでしたら、ぜひ最後までご覧ください。

2024-07-22
Category:
1st party data

▼この記事でわかること

  • 1st party dataの重要性
  • 1st party dataの収集方法
  • 1st party dataの活用事例

こちらの記事では、1st party dataの重要性などはもちろん、それを活用することでマーケティング上どのような利点があるのか?について解説しています。また、1st party dataの収集方法についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

1st party dataとは

1st party data(ファーストパーティデータ)は、企業が直接その顧客やユーザーから収集したデータのことを指します。これにはウェブサイトのビジターの行動データ、顧客の購買履歴、アンケートの回答などが含まれます。このデータは企業自身のチャネルやツールを通じて直接収集されるため、正確で信頼性が高いとされます。

▶︎ 1st party dataの重要性

1st party dataの最大の利点は、その正確性と関連性にあります。直接的な顧客の洞察を提供するため、よりパーソナライズされたマーケティング戦略と顧客体験の向上に直結します。また、プライバシー規制が厳しくなる中で、第三者データの利用が制限されつつある現在、1st party dataの重要性はさらに高まっています。

▶︎ 1st party data と2nd party dataの違い

1st party dataは自社で直接収集したデータですが、2nd party dataは他の企業から直接、またはパートナーシップを通じて得られるデータとなります。2nd party dataは信頼できるソースから得られるため、1st party dataと同様に高い関連性と精度を持ちますが、取得元が自社外である点が異なります。

尚、ゼロパーティーデータからサードパーティーデータまでの違いを表にまとめると、以下の通りとなります。

0 party~3rd party データまでの違い

この表から、それぞれのデータタイプがどのように異なるか、どのように収集されるかを把握することができます。それぞれのデータタイプは、異なるニーズとプライバシーの要求に応じて使われます。

▶︎ 1st party dataの法規制の現状

1st party dataの使用は、GDPR(一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)などのデータプライバシー法規によって規制されています。これらの規制は、顧客データの収集、保管、利用に関して厳格な基準を設けており、遵守が必須です。顧客からの明確な同意が必要とされる場合が多く、違反すると重大な罰金が科されることがあります。

1st party dataのデータ収集方法

以下、ファーストパーティデータの収集方法として代表的なものを挙げます。

▶︎ オンラインでのデータ収集

ウェブサイトに設置したタグによる行動の追跡

メールや資料請求に伴う、フォームからの収集

チャットベースのカスタマーサポートによる収集

SNSでのコミュニケーション履歴

▶︎ オフラインでのデータ収集

POSデータなど、購入履歴からの収集

セミナーなどの名刺交換

店舗メンバーズカードの登録、発行からの収集

▶︎ テクニカルな方法

さらによりテクニカルなツールを使用した収集方法としては以下のものなども考えられます。

  • 自社のWebサイトやSNSにトラッキングピクセルを設置する
  • CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の活用
  • DMP(データマネジメントプラットフォーム)を活用する
  • CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)を活用する

トラッキングピクセルとは、Webサイトやメールなどに埋め込む透明なグラフィックイメージのことです。自社のWebサイトやECサイト、SNSのプロフィール、メールにトラッキングピクセルを設置することで、ユーザーのアクセス情報やSNSへの投稿、商品などを閲覧している頻度に関するデータを収集できます。

CDP、DMP、CRM各種システムについては以下の通りになります。

  • DMP:データの収集と管理に使用されるソフトウェアプラットフォーム
  • CDP:Cookieに依存しないデータ管理を可能とし、ファーストパーティデータの収集・管理を行えるシステム
  • CRM:顧客の個人情報や購入履歴、問い合わせ履歴やアンケート結果などを一元管理を行うツール

これらのツールの活用で、利益が見込まれる顧客に関する情報や顧客情報を効率的に収集し、マーケティングに活用できます。

尚、前述でも少し紹介しましたが、プライバシー保護やユーザーからの情報使用の許諾などをクリアしておくことは大前提となります。データ収集の際は、その点を留意しましょう。

CRMシステムと統合されたデータの活用

CRM(顧客関係管理)システムは、顧客データを一元化し、管理するのに役立ちます。これにより、顧客情報を整理し、セグメント化し、それをマーケティング戦略や営業戦略に活用することができます。CRMシステムは、購買履歴や顧客とのコミュニケーション履歴など、様々な顧客情報を統合し、パーソナライズされたコミュニケーションや効果的な顧客対応を可能にします。

これらの技術とツールによって、企業はより深い顧客洞察を得ることが可能になり、効率的なマーケティング戦略の実施につながります。

▶︎ 1st party dataの活用事例

以下より、1st party dataの活用事例を紹介いたします。成功事例・失敗事例も紹介しますので、ぜひご覧ください。

▶︎ 施策の策定に活用する

これについては容易に想像できることではありますが、ファーストパーティデータは自社サービスを利用するユーザー層の分析に利活用することができ、より効果的なコンテンツ作成や広告媒体の見極めの確度をあげることができます。

▶︎ 自社サービスを利用する顧客の理解に役立てる

ファーストパーティデータの出所は、顧客やユーザーが自社のサービス、コンテンツに触れるタッチポイントであることがほとんどです。そのため、これらのデータは自社のサービスに対して少なからず興味を抱いているユーザーから生成されており顧客への理解に役立ちます。

▶︎ 顧客関係管理(CRM)に役立てる

十分な資金力のある企業は ファーストパーティデータを収集し活用することで、広告や顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)においてより大きな機会(チャンス)を得ることができます。顧客の購入履歴やサイトでの行動を把握していると、広告マネージャーは誰にどのようなメッセージを送ればよいかを高い精度で把握することができます。例を挙げるとすれば次のような人々に情報をリーチさせることができます。

  • 過去に自社商品を購入したことがある顧客
  • 自社ウェブサイトを訪れたが購入には至らなかった消費者
  • 商品カートには入れたものの購入には至らなかった消費者
  • 特定の地域に住んでいる消費者、または特定のデモグラフィック(人口統計)グループ に属している消費者

ファーストパーティデータは、広告体験の向上に役立つため、マーケティングファネル(消費者の購入までの意識の遷移を図化したもの)のどの位置でも活用することができます。

広告主の多くは、ファーストパーティデータとサードパーティデータを併せて使用し、自社の顧客についての情報を利用してデータセットの正確性を高めています。 広告主のファー

ストパーティデータは、さまざまに使い方を工夫できます。

▶︎ 1st party dataの成功事例

特定の小売業者がファーストパーティデータを利用して顧客の購買パターンを分析し、その結果を基に特定の顧客セグメントに対してタイムリーで関連性の高いプロモーションを行った事例があります。これにより、売上の大幅な向上が見られました。

▶︎ 1st party dataの失敗事例

ファーストパーティデータの不適切な利用によりプライバシー侵害が発生し、顧客の信頼を失った企業もあります。データの取り扱いに不十分な透明性を示したため、顧客からの反発を招いてしまった例が存在します。

データ活用におけるチャレンジと解決策

次に1st party dataにおけるデータの品質とセキュリティ、そして法規制への対応などについて考えてみましょう。

▶︎ データの品質とセキュリティの確保

データの品質とセキュリティの確保は、ファーストパーティデータを扱う際の主要な課題です。データの品質を保つためには、収集されたデータが正確で最新であることを確認するプロセスが必要です。

セキュリティに関しては、データの暗号化、アクセス管理、定期的なセキュリティ監査が重要です。これにより、データ漏洩のリスクを最小限に抑え、顧客の信頼を維持することが可能となります。

▶︎ 法規制への適応とデータプライバシーの保護

データプライバシーの法規制への適応も大きなチャレンジです。企業はGDPRやCCPAなどのデータ保護法に準拠する必要があります。これを達成するためには、データ保護方針の透明性を高め、顧客からのデータ使用許可を得るプロセスを確立することが重要です。顧客データを適切に管理し、利用者に対してデータ収集と使用の目的を明確に通知することで、法規制の要件を満たすことができます。

1st party dataの将来的な展望:データ収集技術の進化

データ収集技術の進化としては、AIと機械学習の活用が中心になると予測されます。それらの技術を利用することで、より精密で効率的なデータ分析が可能になり、リアルタイムデータの活用が進むことでしょう。また、顧客体験を向上させる新しいアプローチとして、予測分析や行動分析が利用されるようになると思われます。

1st party dataの戦略的な価値と未来への影響

1st party dataは、その正確性と関連性から見ても戦略的価値が非常に高いと言えます。プライバシー規制が厳格化する中で、1st party dataの重要性はさらに増すことが予想されます。企業はこのデータを活用して、パーソナライズされたマーケティングや顧客体験の向上につなげることが、競争上の優位性を保持することに繋がるでしょう。

1st party dataの総括

この記事では、1st party data(ファーストパーティデータ)の定義、重要性、収集方法、および利用事例について解説いたしました。1st party dataは直接顧客から収集されるため、正確で信頼性が高く、マーケティング戦略や顧客体験の向上に効果的です。また、プライバシー規制の強化によりその価値が増しています。収集技術の進化にはAIの活用が含まれ、未来においてもその戦略的な価値は増すことが予測されます。

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